ガセリ菌のヨーグルトを何ヶ月か続けたのに、体に変化がない。「ガセリ菌効果なし」と検索した人は、きっとそう感じているでしょう。
結論から言うと、ガセリ菌が効かないのではなく、選んだ株と期待した目的がずれている場合が多いです。ガセリ菌は1種類ではありません。株ごとに、報告されている機能が違います。
この記事では、よく見かける2つの株の違いと、目的別の選び方を整理します。続けても変化がないときに確かめる点も書いたので参考にしてください。
「ガセリ菌」は株が違えば、報告されている機能も違う

ガセリ菌は、乳酸菌の仲間の1つです。その中に「株」と呼ばれる細かい分類があります。犬という種類の中に柴犬やプードルがいるのと似ていて、同じガセリ菌でも株が違えば性質が違います。
機能性表示食品の届出は、この株ごとに出ています。届出の文言に書かれた機能は、その株でその量を試した結果です。別の株にそのまま当てはまるわけではありません。
よく見かける2つの株を以下の表にまとめました。
| 株 | 主な商品 | 届出で報告されている機能 | 1日の量 |
|---|---|---|---|
| ガセリ菌SP株(SBT2055) | 雪印メグミルク恵ガセリ菌SP株ヨーグルト | 食事とともに摂取することで、肥満気味の方の内臓脂肪を減らす。腸内環境を改善する | 10億個 |
| CP2305ガセリ菌 | アサヒココカラケア | 健康な方の不安感・気分の落ち込み・精神的ストレスを緩和する。睡眠の質(眠りの深さ)を高める。腸内環境を改善する | 100億個(2粒) |
同じ「ガセリ菌」でも、片方は内臓脂肪、もう片方はストレスと睡眠です。お腹まわりを気にしてCP2305株を選んでも、その目的の報告はありません。その逆もしかりです。
「効果なし」と感じた人の多くは、この行き違いが起きている可能性が高いです。
ガセリ菌に効果はある?届出の範囲で言えること・言えないこと

「効果がある」とも「ない」とも、ひとことでは言えません。ただ、はっきり言えることと言えないことはあります。
言えること
届出のある株には、その株を、その量で、決まった期間続けた試験があります。SP株なら、肥満気味の人が食事とともに12週間食べて、食べなかった人より内臓脂肪面積が減ったという結果です。これは「何となく体にいい」ではなく、条件つきで差が出た報告です。
言えないこと
その結果が、あなたにも同じように出るかは分かりません。試験の対象から外れている人、期間や量が違う人には、届出の結果は当てはまりません。「痩せる」「病気が治る」も届出にはありません。機能性表示食品は、国が効果を審査した制度ではなく、事業者の責任で届け出る制度です(機能性表示食品とトクホの違い)。
変化の大きさは「実感」とは別
SP株では、日本人311人を対象にした2件の試験で、12週間後に内臓脂肪面積が6〜10cm²ほど減っています(試験前との比較)。数字の上では減っていても、鏡や体重計では分からない大きさです。「効果なし」と感じた人の中には、数字の上では変化があっても実感できなかった人も含まれるはずです。
つまり、届出の条件に自分が当てはまり、同じ期間続けたなら、報告と同じ方向の変化が起こる可能性があります。当てはまらないなら、「効果なし」と感じるのは自然なことでしょう。
ガセリ菌SP株には、何が報告されているのか
SP株の届出では「食事とともに摂取することで、肥満気味の方の内臓脂肪を減らす機能」と「腸内環境を改善する機能」が報告されています。量は1日10億個で、ヨーグルト1個分にあたります。
試験の中身は前述したとおりです。ここでは、届出の文言に入っている2つの条件を見ます。
1つ目は「食事とともに」という条件です。試験は食事に合わせて食べる形で行われています。空腹時に単独で、という食べ方ではないのです。
2つ目は「肥満気味の方」という対象です。試験の対象はBMI25以上30未満の人でした。もともとお腹まわりが標準の人は、この試験の対象に入っていません。
ガセリ菌とビフィズス菌はどう違うのか

ガセリ菌は乳酸菌の一種で、ビフィズス菌は乳酸菌とは別の仲間です。名前は似ていますが、分類も棲む場所も違います。乳酸菌は糖を分解して乳酸を作る菌の総称で、乳製品や発酵食品の中でも生きられます。ビフィズス菌は酸素を嫌い、主に人や動物の腸にすむ菌。乳酸のほかに酢酸も作る点が乳酸菌との違いです。
つまり「ガセリ菌かビフィズス菌か」は、菌の仲間の違いです。どちらが上という話ではなく、どの株にどの報告があるかで選びます。
目的別に見ると、選ぶ株が変わる
以下の表は目的別に菌を並べたものになります。
| 気になること | 報告のある株の例 | 表示の種類 |
|---|---|---|
| お腹まわり(内臓脂肪) | ガセリ菌SP株 | 機能性表示食品 |
| ストレス・眠りの深さ | CP2305ガセリ菌 | 機能性表示食品 |
| お通じ・腸内環境 | ビフィズス菌BB536など | トクホ・機能性表示食品 |
表はあくまで例です。同じ目的で、ほかの株の届出もあります。選ぶときは、パッケージの「届出表示」に自分の目的の言葉があるかを見ます。
続けても変化がないときに確かめる3つのこと

「効果なし」と決める前に、次の3つを確かめましょう。
1.株と目的が合っているか
パッケージの「届出表示」を読み、自分が期待している言葉が書いてあるかを見ましょう。「内臓脂肪への機能を期待してストレスの株を食べていた」という例が起こり得ます。
2.届出の試験と同じ期間、同じ条件で続けたか
SP株の試験は12週間、「食事とともに」です。2〜3週間で判断するのは早すぎます。何日で実感できるかの考え方は、こちらの記事にも書いています(サプリは何日で実感できる?)。
3.自分が届出の対象に入っているか
届出の対象は「肥満気味の方」「健康な方」のように決まっています。病気の治療中の人、妊娠中・授乳中の人は、そもそも対象外です。詳しくは前述した「言えないこと」のとおりです。
3つを確かめても変化がなければ、その株はやめて別の株に変える判断でよいと思います。
ストレスや眠りが気になる人が見る株:CP2305ガセリ菌
お腹まわりではなく、ストレスや眠りの深さが気になる人には、CP2305ガセリ菌という株があります。届出では「健康な方の日常生活における不安感、気分の落ち込み、精神的ストレスを緩和し、睡眠の質(眠りの深さ)を高め、腸内環境を改善する機能」が報告されています。
この株を使った商品の1つが、アサヒの「ココカラケア」。1日2粒で100億個、届出番号はF263です。なお、ココカラケアの菌は殺菌したものです。生きた菌との違いは、乳酸菌の数について書いた記事で説明しています(乳酸菌1兆個のサプリは多いほどいい?)。
正直に書くと、私はこの商品を飲んだことがありません。ここは体験談ではなく、届出情報をもとにした解説です。
買う前に知っておいた方がよい点を3つ書きます。
- 定期購入は「4回目以降に解約できる」仕組みです。つまり3回は続ける前提になります。1袋だけ試したい人は、「1回のみお届け」を申し込んでください。定期購入であれば初回は割引があります。
- 届出の対象は「健康な方」です。不安や落ち込みが強く続いている人は、サプリではなく受診を先に考えてください
- 変化を見る目安は、届出の試験(24週間)と同じ期間です。数日では判断できません
まとめ
- 「ガセリ菌」は1つではない。株ごとに報告されている機能が違う
- SP株は内臓脂肪と腸内環境、CP2305株はストレス・眠りの深さ・腸内環境の報告
- 変化がないときは「株と目的」「期間と条件」「自分が対象か」の3つを確かめる
- 選ぶときはパッケージの「届出表示」に、自分の目的の言葉があるかを見る
よくある質問

Q1.今飲んでいる薬と一緒に食べても大丈夫ですか?
ガセリ菌のヨーグルトやサプリは食品なので、多くの薬と一緒に摂れます。ただし抗生物質を飲んでいる間は、生きた菌が減る可能性があります。整腸剤の中には抗生物質と一緒に使う専用の製品があるくらいです。気になる場合は、薬を受け取るときに薬剤師に「乳酸菌のサプリを飲んでいる」と伝えてください。
Q2.ヨーグルトとサプリ、同じ株なら中身は同じですか?
菌の株と1日の量が同じなら、届出の根拠は同じです。雪印のSP株はヨーグルトもカプセルも1日10億個で、同じ試験データで届け出ています。違うのは、たんぱく質やカルシウムが一緒に摂れるか、続けやすいかです。
Q3.SP株とCP2305株、両方いっしょに摂ってもいいですか?
どちらも食品なので、一緒に摂ってはいけない決まりはありません。ただし、届出の試験はそれぞれの株を単独で試したものです。両方を同時に摂ったときの結果は届け出られていません。まずは目的を1つに絞り、その株を届出の期間だけ続けるほうが、変化を判断しやすいです。
Q4.毎日続けないと意味がないですか?
届出の試験は、毎日決まった量を続けた条件で行われています。雪印メグミルクも「毎日続けて、決まったタイミングで」とすすめています。週に数回では、試験と同じ条件になりません。
飲み忘れは、薬局でも患者さんからよく聞かれる質問です。私はまずメーカーの資料を調べ、特に記載がなければ「忘れた分は飛ばして、次からいつも通り」と伝えています。サプリも同じ考え方で、まとめて2日分を摂る必要はありません。ただし薬の場合は種類によって答えが違うので、自己判断せず薬剤師に聞いてください。
Q5.子ども・妊娠中・授乳中でも食べていいですか?
機能性表示食品の届出は、未成年・妊娠中・授乳中の人を対象にしていません。ヨーグルトとして食べること自体は普通の食品と同じですが、届出の機能はこの人たちに当てはまるとは限りません。妊娠中や授乳中で、腸活のサプリを検討している人は、かかりつけの医師か薬剤師に先に相談してください。
外部リンク一覧(本文の登場順)
- 雪印メグミルク「恵ガセリ菌SP株ヨーグルト」商品ページ(届出I1197):https://www.meg-snow.com/products/detail.php?p=megumi_gaseri
- カルピス健康通販「ココカラケア」商品ページ(届出F263):https://www.calpis-shop.jp/products/msccare.html
- 雪印メグミルクお客様センターFAQ(ガセリ菌SP株):https://www.meg-snow.com/customer/faq/gaseri.html
- ビフィズス菌と乳酸菌の違い(公益財団法人 腸内細菌学会 FAQ):https://bifidus-fund.jp/FAQ/FAQ_05.shtml


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