「腸活を始めよう」と思ってサプリを探すと、種類が多すぎて何を信用していいのか分からなくなりますよね。そんな中、整腸剤でおなじみのビオフェルミンから「腸活サプリ」が発売されたと聞いて、「家にあるビオフェルミンと何が違うの?」「薬っぽいものを毎日飲み続けて大丈夫?」と疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実はこの2つ、名前はそっくりですが、分類も役割も別物です。
この記事では、ドラッグストアや調剤薬局で10年以上働いてきた薬剤師の私が、①整腸剤と腸活サプリの違い、②毎日飲み続けてよいのか、③自分はどちらを選べばいいのか、の3つが分かるように解説します。特定の商品をすすめるためではなく、迷わず選べる判断軸を持ち帰ってもらうのが目的です。

ビオフェルミンの「腸活サプリ」は整腸剤とは別物|2つの違い
結論から言うと、従来のビオフェルミン(新ビオフェルミンSなど)と、新しく出た腸活サプリは、法律上の区分からして別物です。
従来のビオフェルミンSは「指定医薬部外品」です。医薬品に準ずる区分で、「整腸(便通を整える)、軟便、便秘、腹部膨満感」という効能・効果が認められています。つまり、今ある不調を改善するためのものです。
一方、新しい腸活サプリは「機能性表示食品」、つまり食品です。特定の成分について健康維持に役立つ機能が報告されていますが、病気や症状を治すためのものではありません。
違いを以下の表にまとめます。
| 項目 | 新ビオフェルミンS(整腸剤) | ビオフェルミン腸活サプリ(個別商品は後述) |
|---|---|---|
| 区分 | 指定医薬部外品 | 機能性表示食品(食品) |
| 目的 | 整腸・軟便・便秘・腹部膨満感の改善 | 日々の健康維持のサポート |
| 主な成分 | ヒト由来の3種乳酸菌(コンク・ビフィズス菌末、コンク・フェ‐カリス菌末、コンク・アシドフィルス菌末) | ビフィズス菌8013株+カテキンまたはセラミド |
| 買える場所 | ドラッグストア・薬局など | 通販限定【要確認】 |
| 飲み方 | 1日3回・食後(用法・用量が決まっている) | 1日1〜2粒目安・タイミング自由 |
| 子どもへの使用 | 錠剤は5歳以上、細粒は3ヶ月以上 | 基本的に大人向け |
「善玉菌を摂る」という点は共通ですが、整腸剤は「不調のケア」、サプリは「健康な状態の維持」と覚えてください。今のつらさをどうにかしたいのか、日々の健康管理をしたいのかで、選ぶものが変わります。
新発売「スマート腸活サプリ/セラミド腸活サプリ」の中身

2026年1月6日、大正製薬からビオフェルミンブランドの機能性表示食品として2製品が発売されました【要確認:発売日】。どちらも通販限定で、ドラッグストアの店頭には並んでいません。
スマート腸活サプリ
1日2粒(目安)に、ビフィズス菌8013株を250億個と、ガレート型カテキンを150mg配合しています。届出されている機能は次の2つです。
- ビフィズス菌8013株:便秘気味な方のおなかの調子を整える機能が報告されている
- ガレート型カテキン:脂肪の吸収を抑制することにより、肥満気味(BMI25以上30未満)の方のおなかまわりの脂肪を低下させ、体重の減少をサポートし、高めのBMIを低下させる機能が報告されている
価格は60粒(30日分)で4,320円(税込)です。届出番号はJ1441です。
セラミド腸活サプリ
1日1粒(目安)に、ビフィズス菌8013株を250億個と、パイナップル由来グルコシルセラミド1.2mgを配合しています。セラミドには、肌が乾燥しがちな方の肌のバリア機能(保湿力)を高め、肌の潤いを守るのを助ける機能が報告されています。価格は30粒(30日分)で4,320円(税込)です。届出番号はJ1442です。
*「機能性表示食品」とは何か
ここは薬剤師として強調しておきたいポイントです。機能性表示食品とは、事業者(メーカー)の責任で、科学的根拠を消費者庁に届け出た食品のことです。トクホ(特定保健用食品)と違い、国が個別に審査して許可したものではありません。
だから「国のお墨付き」と誤解しないことが大切です。一方で、届出内容は消費者庁のデータベースで誰でも確認できます。気になる方は「機能性表示食品の届出情報検索」で届出番号(J1441・J1442)を入れると、根拠となった研究情報まで見られます。こうやって自分で確認できるのが、この制度の良いところです。
従来のビオフェルミンS(指定医薬部外品)はどんな製品か

新ビオフェルミンSは、ヒト由来の3種の乳酸菌を配合した整腸剤です。それぞれ働く場所と役割が違います【要確認:菌の働きの記述】。
- ビフィズス菌:主に大腸にすみつき、乳酸と酢酸をつくって整腸効果を高める
- フェーカリス菌:主に小腸にすみつき、すばやく増えて乱れた腸内フローラを整える
- アシドフィルス菌:主に小腸にすみつき、乳酸を多くつくって有害菌を抑える
効能・効果は「整腸(便通を整える)、軟便、便秘、腹部膨満感」。用法は食後に1日3回で、15歳以上は1回3錠、5〜14歳は1回2錠です。錠剤は5歳未満には使えませんが、細粒タイプなら生後3ヶ月から年齢別の量が決められています。
サプリとの一番の違いは、この「効能・効果」と「用法・用量」がきちんと定められている点です。便秘や軟便といった今ある症状に対して使うなら、こちらが本来の選択肢になります。ドラッグストアで手に入る点も、通販限定のサプリとの違いです。
毎日飲み続けて大丈夫?安全性と副作用

結論から言うと、どちらも「決められた量を守るなら、毎日続けることを前提に作られたもの」ですので飲み続けても基本的には問題ないです。
腸活サプリは、継続して摂ることで健康維持をサポートする設計の食品です。1日の摂取目安量(スマートは2粒、セラミドは1粒)を守る限り、毎日続けること自体は問題ありません。ただし公式にも「多量に摂取することにより、より健康が増進するものではありません」と明記されています。たくさん飲んでも効果が増えるわけではないので、目安量は守ってください。
整腸剤の新ビオフェルミンSも、用法・用量の範囲なら毎日服用できる設計です。ただし薬剤師として1つ付け加えたいのは、「飲み続ければ何でも解決する」わけではないことです。2週間ほど続けても便秘や軟便が改善しない場合、背景に別の原因が隠れていることがあります。漫然と飲み続けず、一度医師や薬剤師に相談してください。
ドラッグストア時代は市販薬も陳列していることから整腸剤を飲み続けることへの不安を感じているお客様からの質問は、割と多く頂いた印象があります。処方箋でも整腸剤を飲み続けている方が多いお話なども交えて、基本的に問題ない旨を伝えていました。
いずれの場合も、飲み始めてからおなかの張りや軟便など、いつもと違う変化を感じたら、いったん中止して様子を見てください。症状が続くなら無理せず専門家に相談しましょう。
子ども・妊娠中・授乳中は使える?
ここは整腸剤とサプリで答えが分かれます。
整腸剤の新ビオフェルミンSは、年齢別の用量が決められています。錠剤は5歳から、細粒は生後3ヶ月から使えます。家族で使える整腸剤として長く選ばれてきた理由のひとつです。
一方、腸活サプリは基本的に成人向けに設計された食品です。子どもへの使用は想定されていません。
妊娠中・授乳中の方は、一律にダメというわけではありませんが、体調が変わりやすい時期です。サプリ・整腸剤に限らず、自己判断で始める前にかかりつけの医師や薬剤師に確認するのが安全です。
効果はいつから?実感がないときに見直したいこと
まず前提として、機能性表示食品は医薬品ではありません。飲んでから、すぐ劇的な変化があるものではなく、「継続的な摂取で◯◯の機能が報告されている」という性質のものです。数日で判断せず、まずは一定期間続けてから振り返るのが現実的です。スマート腸活サプリに関してはビフィズス菌8013株は約2週間、ガレート型カテキンであれば約12週間の試験が根拠になっています。
それから、よく聞かれる「スマート腸活サプリを飲めば痩せるの?」という疑問には、正直に答えておきます。ガレート型カテキンに報告されているのは、肥満気味(BMI25以上30未満)の方を対象とした研究での機能であり、バランスの良い食事と適度な運動が前提です。飲むだけで痩せるダイエット商品ではありません。ここを期待して買うと、がっかりする可能性が高いです。
しばらく続けても変化を感じない場合は、次の3つを見直してみてください。
- 食事・睡眠・運動など、生活習慣の土台が乱れていないか
- 摂取目安量を守って、毎日続けられているか
- 判断するには期間が短すぎないか
そもそも腸活の主役は毎日の食事と生活習慣で、サプリはその補助です。サプリだけで解決しようとせず、土台を整えながら使うのが正しい付き合い方です。なお、便秘や軟便といったはっきりした症状が続いている場合は、食品で粘らず、整腸剤の使用や受診を検討してください。
目的別の使い分け|便通・腸内環境・おなかまわり
迷ったときは「今の自分の状態」で選んでください。
今、便秘・軟便・おなかの張りといった不調がある→整腸剤(新ビオフェルミンSなど)。効能・効果が認められた指定医薬部外品で、症状のケアが目的の製品です。ドラッグストアですぐ買えます。
はっきりした不調はないが、日々の腸内環境を整えたい→腸活サプリ。健康維持のサポートが目的の食品です。おなかまわりの脂肪も気になるならスマート、肌の乾燥も気になるならセラミド、という選び方が妥当です。
症状が重い、または長引いている→どちらでもなく、まず受診です。市販の整腸剤やサプリでカバーできる範囲を超えている可能性があります。
私の経験上、高齢者になればなるほど持病や数種類の処方薬を飲んでいたりする関係でサプリで対処するレベルを超えている方が多くいた印象が強いです。
想定される質問

Q1腸活サプリ(善玉菌サプリ)とビオフェルミンの整腸剤は同じもの?
いいえ、別物です。整腸剤は指定医薬部外品で、便秘や軟便など今ある症状の改善が目的。腸活サプリは機能性表示食品で、日々の健康維持のサポートが目的です。「善玉菌を摂る」点は同じでも、役割が違います。
Q2いつ飲むのがいい?
整腸剤の新ビオフェルミンSは、用法どおり1日3回・食後に服用してください。一方、腸活サプリは食品なので決まった時間はありません。飲み忘れない時間を自分で決めて、毎日続けることを優先しましょう。1回量は個人的な意見になりますが、1日量を朝夕で均等にするなどの方法をとれば良いと考えます。
Q3腸活サプリは牛乳と一緒に飲んでもいい?
基本的には問題ありません。ただし、牛乳でおなかが緩くなりやすい体質の方は、水か白湯で飲むのが無難です。
Q4菌は生きたまま腸に届く?
製品によって違います。新ビオフェルミンSは、3種の乳酸菌が生きたまま腸に届くことをうたった整腸剤です。一方、腸活サプリのビフィズス菌8013株は加熱処理された菌で、生きて届くタイプではありません。「生きた菌=良い、死んだ菌=無意味」という単純な話ではないのです。
Q5他のサプリや整腸剤との併用はOK?
基本的に併用は可能です。ただし、乳酸菌系のものを何種類も重ねる意味はあまりなく、成分が重複して目安量を超えないよう注意してください。薬を服用中の方や不安がある方は、始める前に医師や薬剤師に相談してください。
まとめ
最後に、この記事におけるポイントを3つに絞ります。
1つ目:ビオフェルミンの「整腸剤」と「腸活サプリ」は別物です。整腸剤は今ある不調を改善するための指定医薬部外品、腸活サプリは健康維持をサポートする食品。今の自分に必要なのはどちらかを見定めて選んでください。
2つ目:どちらも目安量・用法を守れば毎日続けられる設計ですが、多く飲んでも効果は増えません。決められた量を守ることが、安全に続けるコツです。
3つ目:不調が2週間以上続く、または症状が重いと感じるなら、サプリや市販薬で粘らず医師や薬剤師に相談してください。早く相談したほうが、結果的に近道になることが多いです。
迷ったときは、お近くの薬局やドラッグストアの薬剤師に気軽に声をかけてみてください。


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